井田英夫展の画像

井田英夫「第一音戸大橋を背にした自画像」2016年 オイルパステル、油彩、キャンバス

ふだんを見つめる

井田英夫展

  • 開催期間:【終了しました】2017年 7月14日(金)~8月27日(日)
  • 開館時間:9時~21時 会場:砂丘館ギャラリー(蔵)+一階全室<*一階和室会場は、市民利用等でご覧いただけない場合があります>
  • 定休日:月曜日(7/17は開館)、7/18・8/15振替休
  • 料金:観覧無料
  • 主催:砂丘館

 

 

作家プロフィール

井田英夫(いだ ひでお)

1975年旧新津市生まれ。97年新潟デザイン専門学校卒。2000年モンセラート美術大学(アメリカ、マサチューセッツ州)卒業。ミンゴーギャラリー(マサチューセッツ州)で二人展。02・04・06・07・09・10・12・13・14・16年新潟絵屋、05年ギャラリーEMU-st(新潟)、11年久留米市一番街多目的ギャラリー、12年三方舎書斎ギャラリー(新潟)、15年天仁庵(広島)で個展開催。15年8月下旬から呉市音戸町に滞在。

 

普段を見つめる

 

 毎日の生活、歩行は案外そういうもので構成されてる気がする。曲がり角の角度とか、
この家の風呂のにおいとか、洗濯物の並び方とか、そういう細部のものごと、そして、
そういうものは人に伝える気のないもの、見落とされがちで、でもその人にとっては
なくてはさみしいと強く感じるもの。


 この春、砂丘館で2人展をした小森はるかと瀬尾夏美は、大津波の直後訪れた陸前高田に、
東京から移住し、3年の時を過ごす。これは移住後、瀬尾がある老人が津波に流された町を
思い出して話すのを聞き、ツイッターに記した一文(
20121110日)だが、私はなぜか、そのまま
井田英夫の絵を語る言葉のように感じた。

 井田英夫は今は広島の呉の島にいる。行って2年ほどになる。前は新潟にいた。その前は九州の久留米にもいた。もっと若い時分は、アメリカのボストンに近い町の美術学校に通っていた。そのアメリカから新潟に戻った直後に、絵を見て、彩度の高い色に魅せられた私は、新潟絵屋での個展を企画した。絵屋での展示は今年で12回目になる。あわせて今回は砂丘館にこれまでの絵を集め、一堂に並べることになった。
 体の大きい井田はそれだけで目立つ存在だが、同時にその独特のやさしさ、謙虚さに、私たちはどれだけ慰められ、助けられ、癒されてきただろう。新潟だけではない。いまいる呉でも、彼の存在は人を微妙に和ませ、親和させているらしい。ある地域雑誌にそんな姿が紹介されていた。
 井田が描くのは、いつも、身のまわり。畑や木や家があると「風景」に見えるが、正確には洗濯機やオーブンや棚に置かれた洗剤やハンガーに掛けたジャージなどと同じように、どれもが、彼の身辺の光景なのだ。そういう光景は、誰にもある。目にしている。ふつう、ただそういうものは「伝える気のないもの」にとどまり、写真はともかく、時間をかけて描かれる絵の対象にはならない。
 さらに面白いのは、そういう身辺が、井田の絵ではなんとも美しい色で描き出されることだ。色が井田の絵の最大の魅力であることを、疑う者はない。あざやかな色は、井田の絵を一見、主観のフィルターを介して描いたもののように見せるのだが、そう説明してしまうと、どこか違ってしまう。井田の色は決して、気まぐれに選ばれてはいない。それは彼が実際に、現実に見いだし、感じている色なのだ。
 普段「伝える気の」おきない「見落とされがち」な「細部のものごと」に、「でもなくてはさみしい」と気づくとき、目に、心に、生き生きと浮き上がってくる色を画家は見つめている。

 

大倉宏(砂丘館館長)

 

 

「音戸の夜」(呉)2016年 オイルパステル、油彩、キャンバス

 

<会期中の催し>

 

■ギャラリートーク

7月22日(土)午後3時~4時30分

井田英夫 聞き手:大倉宏(美術評論家・砂丘館館長)

参加費500円(予約不要、直接会場へ)

 

■ワークショップ「井田さんと絵を描こう」

8月5日(土)午後1時~4時

夏休みのおばあちゃん家のような砂丘館の座敷で、井田さんと過ごす写生の時間

参加費500円 定員15名 要予約 【予約受付中/お電話・メールでお申込み下さい

各自お好きな画材をお持ち下さい

 

■絵を見る話の会 ▶

見る絵:井田英夫「音戸の夜」  お話;大倉宏(砂丘館館長)

8月18日(金)午後7時~8時45分

参加費700円(茶菓付)要予約【予約受付中/お電話・メールでお申込み下さい

 

■堀川久子独舞(井田英夫展会場にて) 

8月中旬~下旬を予定 日時決定!

8月26日(土)午後6時30分~

参加費1,000円 予約不要(直接会場へ)

 

☞お申込み・問合せは

下記の電話またはEメールで砂丘館まで

*メールの方は氏名、連絡先(電話番号)、人数を併記して下さい。

 

 

 

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<同時開催> 井田英夫新作展

 

■新潟絵屋 7月22日(土)~30日(日) ▶詳細

新潟市中央区上大川前通10番町1864

TEL&FAX 025-222-6888 Email info@niigata-eya.jp

11時〜18時(7/22は21時まで、最終日は17時まで) 会期中無休

 

■ギャラリーみつけ(見附市民ギャラリー)巡回展 8月10日(木)~23日(水)▶詳細

新潟県見附市昭和町2-4-1 TEL 0258-84-7755

月曜休館 10時-22時(入館受付は21時半まで)

◇みつけ・井田英夫展 ギャラリートーク  8月19日(土)午後2時〜3時

左「JAの建物」(新潟)2013年 オイルパステル、油彩、キャンバス/右「ジャーとレンジと冷蔵庫と」(久留米)2008年 オイルパステル、パネル