堀内康司展の画像

「魚」1961年 油彩、キャンバス 91.0×116.0cm

忘れてはならない人がいます

堀内康司展

  • 作家名:Horiuchi Koji
  • 開催期間:【終了しました】2015年 4月17日(金) – 5月24日(日)
  • 開館時間:9:00 – 21:00
  • 定休日:月曜日(5月4日は開館)、4月30日、5月7日、8日振替休
  • 料金:観覧無料
  • 主催:砂丘館

「敗戦記念日」のあの日俺は孤独だった。
が、運命を拓いていく意欲に満ちていた。

戦争で孤児となり、信州松本で絵を描きはじめた少年は、描くことに没頭し、東京の美術評論家・福島繁太郎から絶大な支援を得、強く、迷いのない線で次々と迫力にあふれた絵を生み出します。街角で見た無名の画家池田満寿夫の絵にほれこみ、池田、真鍋博、靉嘔とグループ「実在者」を結成しますが、その後突如筆を折り、後半生は競馬ライター、美術愛好家として生きました。2011年の没後刊行された画集『堀内康司の遺したもの』から、若き日の輝きに満ちた絵が再評価され始めました。堀内は長野から一番近い海、新潟県の現在の糸魚川市の海岸を何度も訪れ、海辺の風景や魚などをモチーフにした秀作を残しています。これら新潟ゆかりの作品を含む約40点を展示します。

作家プロフィール

堀内康司(ほりうち こうじ):1932年東京生まれ。幼いころ父が戦死、母は病死し、孤児となる。両親の故郷信州で絵を描き始める。松本で宮坂勝のサロンに参加、草間彌生らとグループ展に参加し、初個展も開く。1952、53年国画会新人賞を連続受賞し、東京に行き、美術評論家でフォルム画廊主の福島繁太郎の支援を受け、証券会社で働きながら創作する。古書店の壁に掛かっていた池田満寿夫の絵に感激し、グループ「実在者」を池田、真鍋博、靉嘔と結成するが2年で解散。その後数度の個展を開くが、誰にも理由を告げずに絵筆を折る。その後は岩波書店の「世界」をはじめとする雑誌のカット制作、競馬記者、写真や挿絵の仕事をしながら、美術愛好家として浜田知明、藤牧義夫らのほか晩年は若い画家たちの絵を購入するなど、制作を支援した。2011年逝去。2013年画集『堀内康司の遺したもの』刊行。同年東京のフォルム画廊、ギャラリー川船、2014年には東御市梅野絵画記念館で回顧展が開催される。

「無題(花)」 1958年 油彩、キャンバス 72.0×50.0cm

会期中の催し
ギャラリートーク 「堀内康司を語る」
4月25日(土) 午後2時〜3時30分

お話:芝野敬通
(画集『堀内康司の遺したもの』求龍堂2013年 編集者)
聞き手:大倉 宏(砂丘館館長)
参加費:500円(申込不要、直接会場へ)