ミーヨン写真展 日時:2021年8月5日(木)~9月5日(日)【終了しました】 *「ミーヨン写真展」は新型コロナウイルスの感染拡大への対応として9/3~16に砂丘館が臨時休館することにともない、9/2までの開催とさせていただきます。 個の固をほどく ミーヨンの写真に接したのは2016年8月の新潟絵屋での個展だった。企画者の石井仁志さんと写真家と3人でトークもした。 何を話したかは忘れたけれど、どんな言葉を投げても、それを、彼女がまっすぐに打ち返してくるのが心地よかった。 そのとき、彼女が書いた言葉(エッセイ、小説)も読んだが、たしか幼いころ「私」は自分ひとりだと思っていて、ある日ほかの「私」もこの世にはあるのだと知った時心底おどろいたと書いてあったのが忘れられない。写真集『Alone Together』の独自の触感は、自分だけ(alone)だと思っていた「私」が、自分以外の「私」の存在を知って感じた拡張感、alone(私)が消えてtogether(私たち)になるのではなく、強度あるaloneがそのままでtogetherに、つまり「私だけの私」で構成される共同体になるという感覚から生まれているという気がする。 彼女が近年インドから持ち帰った写真の、その拡張感のさらなる拡張とでも言いたくなるような、ゆるやかで、果てのない広がりに魅了される。ガンジスの川面に揺れる光、赤や朱や紅を衣装に、身体にまとい、すりつけた人々。写真を隙間なく満たす明るい光と色は、現実の光と色でありながら、そこを訪れ、祈り、沐浴し、川辺にたたずむ人々一人ひとりのaloneの底に広がる光であり、色だ。光と色がaloneをtogetherにしている、つないでいる。さらに済州島や沖縄の聖地をも訪ねだしたというミーヨンの写真は、分かたれた「個」の「固」をほどく、遠い、けれどすぐそこにある場所を示す羅針盤のように、動き出している。 (大倉宏) ギャラリートーク <戻らなければならない場所がある気がする> 8月21日(土)14:00-15:30 聞き手 大倉宏(砂丘館館長) ギャラリートークは新型コロナウイルスの感染拡大のため動画配信で行います。詳しくは→【急告】ミーヨン写真展 ギャラリートークは動画配信で行います。 | 砂丘館 (sakyukan.jp) 500円 定員20名 申し込み 電話・ファックス(025-222-2676)、Eメール(sakyukan@bz03.plala.or.jp)で砂丘館へ *Eメールまたはファックスでお申込みの場合は、連絡先(電話番号)、人数を明記してください。 申し込み受付開始8月4日 関連展示 光をとる ミーヨン 中里和人写真展 2021年9月16日(木)~29日(水)11:00-18:00(最終日-17:00) 新潟絵屋 新潟市中央区上大川前通10-1864 tel.025-222-6888 予告 光をとる 2 Night in Earth 中里和人写真展 2021年10月1日(金)~31日(日) もっと読む