名 称 |
砂丘館(さきゅうかん)
(旧日本銀行新潟支店長役宅)
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所在地 |
〒951-8104 新潟市中央区西大畑町5218-1 |
施設概要 |
日本銀行新潟支店は大正3年(1914)の開設(全国10番目)。支店長役宅は当初西掘前通6番町にありましたが、柾谷小路の拡幅にかかり現在地に移転しました。敷地面積約523坪、延べ床面積約152坪。新築に要した経費39,752円。8代から37代までの30人の支店長が居住しました。
平成11年保有資産見直しを図った日本銀行が役宅を売却することとなったため、新潟市が取得し、平成12年6月から一般公開されてきました。平成17年指定管理者の公募がおこなわれ、7月から芸術・文化施設として新潟絵屋・新潟ビルサービス特定共同企業体による管理・運営がスタートしました。 |
みどころ |
「砂丘館」は、新潟市が所有する旧日本銀行新潟支店長役宅の愛称です。
あまり上り降りする(町に遊びに行く)と落第すると旧制新潟高校生の間で言われたどっぺり坂(ドイツ語のドッペル=ダブる、落第する、からつけられたらしい)を上りきった正面、右手に位置するお屋敷です。ここは新潟砂丘の上。同じ並びには、かつて新潟高校とその寄宿舎「六華寮(六花寮)」があり、いずれも洋風木造の建物でした。明治以後お屋敷町として開発されたこの界隈には、今も洋館の付いた住宅などが残りハイカラな雰囲気が漂っています。
旧支店長役宅は昭和8年(1933)年の建設。設計は日本銀行の技師平松浅一、施工は新潟の武田組が行いました。庭は新潟の長生園によるもの。戦前の日本銀行の役宅として現存するのは新潟と福島(昭和2年)の2つだけです。
建物は東南から北西方向にのびる敷地に、奥深い作りで、中央を貫通する廊下(中廊下)によって接客・生活空間とサービスヤード(台所、女中室、書生室、浴室など)が明確に区分されています。この中廊下は、プライバシーの重要性を説いた大正期の住宅改良運動の影響により登場したもので、近代の和風建築に特徴的なものです。
玄関の脇には外観こそ和風ですが、ゆったりとした洋間の応接室と書斎が広がり、奥に和室部分が続きます。茶室として使用できる小間が1、2階に3室設けられています。主室部分に奥座敷が雁行して配置され、多様な視点から庭を眺められるよう工夫されています。
敷地奥には町中から移築された蔵があります。役宅に蔵は思い掛けないのですが、新潟の町が災害に襲われた場合は役宅で支店が代行できるよう配慮されたと言われ、そのために作られたものです。外壁は火災により強いよう、コンクリートになっています。砂丘館ではこの蔵をギャラリーに改装し、自主企画展などにより閉鎖的空間に新たな演出を試みています。
2階の座敷は本格的な書院造りの様式。木材が総て檜(台湾檜)なのも珍しいと言います。広縁のガラス戸からは眼下に新潟の町を一望することができたと言いますが、今は残念ながら高い建物に遮られて見えません。
役宅という性格を考慮してか、新潟の商家の座敷に見るような凝った細部の意匠は見られませんが、欄間などに精緻なデザインを見ることができ、特に正面玄関の欄間には寺院建築に特有の斗きょうが引用されているのは、珍しいものです。
庭は平坦で細長い敷地に作られる路地風平庭。洋館の車寄せを思わせる前庭、純日本風の主庭、ガーデンパーティのできる平らな奥庭、そして静かな森の小道を思わせる勝手庭と表情の変化に富んだ空間構成になっています。
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開館時間 |
入館無料(管理用スペースを除き、御自由に御覧いただけます。)
見学:午前9時から午後9時まで
(ただし,利用されている部屋は入室できません。)
貸出:午前9時から午後9時まで
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休館日 |
月曜日(月曜日が休日の場合はその翌日)、休日の翌日、
年末年始(12月28日から翌年1月3日まで) |
TEL・FAX |
025−222−2676 |
駐車場 |
会場には駐車場がありません。公共交通機関をご利用下さい。 |
交通のご案内 |
新潟駅からのバスのご案内
西循環(11A・12A系統) または観光循環バス乗車
「西大畑坂上」バス停下車徒歩1分 |