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 砂丘館の梅の蕾も紅くふくらみ、春の訪れを感じるこの頃です。皆様いかがお過ごしでしょうか?
 何かと変化の多い季節、忙しく過ごされている方も多いかと思います。お引越しなどでご住所が変わられる方はどうぞご連絡下さい。また、砂丘館では新規ボランティアを募集中です。お近くに、お時間に余裕の出来た方、新しく何かを始めてみようとお考えの方はいらっしゃいませんか? 関心をお持ちの方がいらっしゃいましたら、ぜひご紹介下さい! 今月末からは冬期お休みしていた庭園ボランティアの活動も再開いたします。皆様のご参加をお待ちしております。
第5号 2008年3月15日


 弥生三月光の春とともに、雛人形の展示会が開催されるのでボランティアを申し込みました。
 人生の残り時間が見えてきた私にとって、砂丘館に来ることは過去の自分に出逢うような気持ちになります。三越前でバスを降り、丘の上の家へ着くまでに、県立図書館(現・日銀)に初めて来た9才の頃を、友人宅だった副知事公舎(現・ネルソンの庭) でお寿司をご馳走になったことや、また、ドッペり坂の由来を教えてくれた高校の日本史担当の名物先生のことなど懐かしさに再会します。
 古くて良い建物が消えていきます。ある外国の方が「日本人は宝石を捨てて砂利をひろっている」といわれました。人間が生きていくための環境は、機能や経済効率だけで成立つものではなく、「記憶される環境」こそが人を育て、心を育むので大切なのではということを最近になって知りました。私が育った生家と砂丘館の佇まいが似ているので、ここへ来ると両親と姉弟で過ごした頃が思い出されるのです。
 〜砂丘館では、毎月季節の行事に合わせてしつらい飾りの展示を行っています。今回はしつらいの飾り付けを担当し、しつらい教室の講師を務めるスタッフよりコメントを頂きました。〜

 毎月の行事とは、季節を感じ、神様への感謝の気持ちをあらわす楽しい事と、先人達はとらえてきました。そしてご先祖様から私達へ、また次の世代へと伝えていく基層文化という、奥の深いものだと思います。
 「しつらい」とは、平安時代から使われている言葉であり、今で言うワンルームの部屋をついたて衝立やすだれ簾などで仕切り、季節ごとに調度品を使い工夫するというもので、いにしえ古から行われてきました。そんな意味深い「季節のしつらい」を砂丘館のお屋敷で試みられる事は幸せです。
 季節を春夏秋冬に分けた24節気は、明治になり、暦が旧暦から新暦に変わってからは季節と行事がずれてしまいました。そのようななかで、出来るだけ自然な材料を使い、皆様にしつらいの楽しさを味わって頂けるように、教室を卒業された「しつらい倶楽部」の方達と知恵を出し合いながら構成しております。行事には必ず由来があります。しつらえたものの意味も含めてご覧頂けたら幸いです。(坪井蓉子・しつらい教室講師)


砂丘館(旧日本銀行新潟支店長役宅)
〒951-8104 新潟市中央区西大畑町5218-1
TEL & FAX 025-222-2676