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2009年5月15日〜6月14日 ■主催:砂丘館(新潟絵屋・新潟ビルサービス特定共同企業体)


チャーミングで、溌剌とした女たちの肖像 橘三紀展
 

橘 三紀(たちばな みき)
1941年両津市生まれ。69年大橋広治先生の知遇を得、師事。72年光風会展に入選、76年光風会会員に挙げられる。99年光風会退会、現在に至る。近年は新潟絵屋、にいがた銀花ギャラリー、画廊Full Moon(いずれも新潟市)などで個展。グループ展多数。

ギャラリートーク
●2009年5月17日
●ギャラリートーク
 「ぼくの好きな絵、好きなもの」
●橘 三紀/聞き手:大倉宏

同時期開催
橘三紀展
●2009年5月15日〜31日
●画廊Full Moon


 
まれにみる真のカラリスト

尾原圭一

 
 どうして素敵?
 清楚ですました美人はいない。すっとんきょうな顔をしてたり、口を尖らしてたり、目を金魚みたいに見開いてたり、なのに誰も彼も(いや彼女も)素敵なのだ。ほんとうに橘三紀の女たちはみなチャーミングである。
 明るく、あざやかな色。乱暴で粗相、とさえ言ってしまいたくなる筆の跡。追い詰められたネズミがいきなりダンスを踊り出したみたいな捨て身がどの絵にもあり、それが実にいい。煮詰めた夕日みたいな赤がどの絵も強く印象に残るけれど、こうして近作を大小数十点続けて見ると、その赤を際立たせる青の存在にぼくは気付く。冷たい日本海が夕日の色を際立たせるように、青の幹に咲く赤。そのすきまからこぼれるような緑や、紫やオレンジのなんという透明な美しさ!
 強い色を使う画家は多いけれど、このようにそれを「美しく」感じさせる絵は少ない。橘はまれにみる本当のカラリスト(色彩画家)のひとりだと思う。
 強さがそのまま生気に、美しさになっている。最初の問いに戻ればそれが、絵に浮かび上がってくる女たちの魅力でもある。ここには男に従属したり、目立たぬように俯く「古風な」女はいない。おのれの気持ちに素直に、強く生きながら、成熟し、個性的な人として、そして女として、輝くものたちのイメージがここにある。。

2009年5月22日 新潟日報 掲載


砂丘館(旧日本銀行新潟支店長役宅)
〒951-8104 新潟市西大畑町5218-1
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