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特別展示「越境する職人の技」

  • 開催期間:【終了しました】2016年 5月31日(火)~6月26日(日)会場:砂丘館ギャラリー(蔵)
  • 開館時間:9時~21時
  • 定休日:月曜日
  • 料金:観覧無料
  • 主催:砂丘館

変貌する時代環境のなかで 旧来の枠を超え

その技を用い、生かす、新潟の職人たち

 

出品作家:

漆山昌志(石工)、春日美雪(蒔絵師)、小林義一郎(大工)、村山雨景(染師)、山田敏昌(表具師)

プロフィールはチラシをご参照下さい。

 

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旧齋藤家別邸で村山雨景展が開催されるのをきっかけに、連携企画として、新潟県の5人の職人を紹介する展示を企画しました。

村山雨景は京都で友禅染を学びますが、故郷・十日町の着物産業の一歯車である職人の地位に不満を覚え、展覧会(個展)という形で発表する道を選びます。氏の道程を、美術が作り出した社会的回路を使って職人として生きる道の模索しようとする試みだったのではないかととらえ、「越境」の言葉でそれを表してみると、同じ言葉から、何人かの、それぞれの流儀や事情で「越境」を行っている職人たちの姿が浮かびました。

漆山昌志の石像に出会ったのは、二十年以上も前、今はない出湯温泉の旅館「石水亭」の庭でのことです。出湯近辺に多い古い石仏のように見えたものの、仏像たるべき持物(じもつ)も印相もない、頬に手を付き、目をつぶっているシンプルな姿に心が動きました。墓石や仏像も彫る石工の、きまりごとから離れた、ささやかな越境です。

山田敏昌は新潟の表具師です。現代美術に関心をもつクライアントの書の表具を手掛ける仕事を通じて「遊ぶ」楽しさを吸収し、姫路の詩人羊歯三郎がさまざまに「風」一字を書いた百点以上を筆者から預けられ、それらを自由に表具し、「傾(かぶ)き」感覚にあふれたユニークな掛け軸の数々を制作しました。

小林義一郎は新潟市西蒲区の大工ですが、現代美術に関心を持ち、自ら作品も購入。建築する住宅にも、家に飾る作品の提案をし、各地で新聞紙エアドームのワークショップを行うなどの多彩な活動を展開しています。昨年は三条での美術グループ展に参加し、木の力を知る大工ならではの、椅子や台や机を出品しました。家具職人やデザイナーの家具とはいく味も違う、大工感覚で作られたモノに強い印象を受けました。

春日美雪は三条仏壇の蒔絵を手掛ける職人です。時代の変化によって仏壇の需要が少なくなったこともあり、お盆や篠笛やCDや印鑑ケースなどさまざまなものに蒔絵を施すようになりました。表現という側面からではありませんが、これもまた越境の一つの姿と言えるでしょう。三条ものづくり学校で、手軽に蒔絵を体験できるワークショップも手がけ、職人の技の世界に親しんでもらう試みも行っています。

大倉 宏(美術評論家・砂丘館館長)

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< 会期中の催し>

 ◆ワークショップ 蒔絵を体験する

漆(カシュ―を使用)で絵を描き、乾く前に金粉や銀粉を上から蒔き描く蒔絵を体験します。

 講師:春日美雪

 【終了】618日(土)14時~16時/参加費:500円+材料費実費(1,200円~)

 定員20名 要予約(5月27日より受付開始)お電話・メールにてお申込み下さい。 

 

蒔絵体験WS/制作みほん

 

 ◆紙芝居屋さんがやってくる

昭和のなつかし、おもしろ街頭紙芝居<紙芝居・なぞなぞ(とんち)・駄菓子>

口演:じゃんぼ

 【終了】619日(日)14時~16時/参加費500円(駄菓子代別途50円~)/予約不要、時間中出入り自由です。

じゃんぼさんから

駄菓子をいっぱい乗せた自転車こぎこぎ、昔ながらの街頭紙芝居を今もやっています。世界唯一の絵元大阪の三邑会(現在塩崎おとぎ紙芝居博物館)から毎月いろいろな「ほんまもんの紙芝居」を借りて口演しています。

じゃんぼ/昔ながらの紙芝居

 

 

<同時期開催>

村山雨景展「神々を染める」

ー手描き友禅とろうけつ染めによる職人絵の世界

会場:旧齋藤家別邸(新潟市中央区西大畑町576)

2016年 5月31日(火)~6月26日(日)9:30~18:00

観覧料/一般:300円、小中学生100円(土日祝は無料)

◆村山雨景 ギャラリートーク 6月5日(日)13:30~

詳細は (外部リンク)

 

 

 

 

【蒔絵体験ワークショップは5月27日より予約受付開始】