田代一倫写真展 2020.9/8-11/1
日時:2020年9月8日(火)~11月1日(日)【終了しました】
田代一倫は、人間の世界を分断する境界と、そのやわらかい越境の可能性を模索するように、各地で肖像写真を撮影してきました。東日本大震災のあった2011年春から2013年春には三陸、福島で出会った人々を撮影しています。
人々は、誰も同じように声を掛けられ、場所の風景とともに撮されました。マスコミの報道は人を被災者、支援者などに色分けしますが、その分断が縫い合わされ、身を置く場所がともに写されることで、「時空」と「人間」の、相互に浸透的で複雑な関係が見つめられた肖像写真は『はまゆりの頃に』と題された一冊にまとめられ、注目されました。
映画『阿賀に生きる』への関心から、近年は新潟もしばしば訪れています。田代独特の、微妙で独自の距離の取り方の中で見つめられた新潟の人々の表情には、「はまゆりの頃に」と似て、また違った質の明るさや穏やかさがあります。それは同じく近年撮影がおこなわれた東京の肖像シリーズと比較するとき、さらに際立って感じられます。
この未発表の新潟の肖像シリーズと、「はまゆりの頃に」と東京のシリーズをあわせて紹介することで、肖像写真という古典的ジャンルの、新鮮な現在とその奥行きを感じていただきたいと思います。
この事業は新潟市からの補助金を受けて実施しています。 新潟