映像展示2021 デニス・ブラン Ready,steady…No!/遠藤龍 SILENCE/memorandumの画像

映像展示2021 デニス・ブラン Ready,steady…No!/遠藤龍 SILENCE/memorandum

  • 開催期間:デニス・ブランReady,steady...No!2021年4月13日(火)~25日(日)・遠藤龍 SILENCE/memorandum2021年5月11日(火)~23日(日)
  • 開館時間:9:00-21:00
  • 定休日:月曜日 その他祝日の翌日
  • 料金:観覧無料
  • 主催:砂丘館

砂丘館の映像展示は2012年1月のmikkyoz006からで、今年で10年目になる。

遠藤龍とleのユニットが作る10分ほどの映像に引かれたのがきっかけで、以降毎年同じ真冬にmikkyozの新作を「展示」し続けてきた。上映ではなく、展示としたのは、会場がギャラリーなので、映像がそこに置いてあるようだったからだ。毎年使ううちに、言葉がなじんできた。昨年と今年はmikkyozの展示と前後して、ほかの制作者の映像も展示した。新潟にはシネコンもあり、シネ・ウインドのような素晴らしいミニシアターもあるが、どちらでも上映できなさそうな、でも、そそられる作品を上映していきたいという気持ちがつのってきた。

今回前半(4/13-25)に初紹介するデニス・ブランの30分あまりの作品は、東京都の伊豆大島をはじめとする伊豆諸島で開催されてきた美術展「アートアイランズTOKYO」への招聘をきっかけに制作されたもの。同美術展は2020年から21年にかけて、制作過程を展示、公開するという形で実施され、さらに参加アーティストがそれぞれzoomでプレゼン形式により作品を発表し、語る場が設けられた。新潟市在住で、以前砂丘館に勤務していた岡部安曇さんがその手伝いをしていたので、時々話を聞いていたが、デニス・ブラン氏の作品、というよりそのプレゼンが異様に熱かったと語る岡部さんの声がとても高ぶっていた。さっそく岡部さん経由で氏にご了解をいただき、作品をインターネットで見せてもらった。気が付いたら2度見ていた。面白いとか、衝撃的というのではない。見て、聞いて「いる」時間につながれ、囚われたいという奇妙な気持ちを感じたのである。繰り返しが続く映像はある意味で(特に何らかのドラマを期待する目には)退屈なのだが、その退屈という時間の底に恍惚という黄金の水たまりがある。アンリ・ボスコのふしぎな小説『骨董商』(天沢退二郎訳)の読中感を思い出した。

後半はmikkyozで映像を制作してきた遠藤龍の単独作品を初展示する(5/11-23)。震度と深度の深まってきた近年のmikkyozとはずいぶん違う感触におどろく。まだ未成のものに満ちている感じ。こういう生(なま)なものにひそんでいる、見えない何かに、何か分からないまま揺すられる。

(大倉 宏)

作家プロフィール

デニス・ブラン Denis Brun

1966年10月28日雨の金曜日23時10分にフランス中部のドゥゼルティーヌに生まれる。ヴィラアーソン国立美術学校(ニース)を1994年卒業後、マルセイユのピエールバルビゼ音楽院のエレクトロアコースティッククラスに参加。2004年ロサンゼルスでドキュメンタリー映像を制作。2009年インドネシアに滞在、地元のアーティストと共同制作を行う。2016年「アートアイランズTOKYO」に参加。ニューヨーク、マルセイユ、パリで個展。「Ready,steady…No!」は新型コロナウイルス感染拡大下の2020-2021年に開催された「アートアイランズTOKYO」のために制作された。

 

遠藤 龍 えんどう りゅう

写真、映像、音を用いて創作活動を続ける。個人活動のほか、2009年よりleとのユニット“mikkyoz”として活動。