支店長役宅から芸術・文化施設へ
日本銀行新潟支店は大正3(1914)年の開設(全国10番目)。支店長役宅は当初西堀前6番町にありましたが、柾谷小路の拡幅にかかり現在地に移転しました。敷地面積約523坪、延べ床面積役152坪。新築に要した経費39,752円(現在の3〜4億円)。8代から37代まで30人の支店長が居住しました(平成11年10月まで)。
平成11年保有資産見直しを図った日本銀行が役宅を売却することとなったため、新潟市が取得し、平成12年6月から一般公開されてきました。平成17年指定管理者の公募がおこなわれ、7月から芸術・文化施設として新潟絵屋・新潟ビルサービス特定共同企業体による管理運営がスタートしました。
独自の視角による「自主企画展」を柱に、音楽、舞踊、芸能などの「芸術文化の催し」、季節のしつらいや日本の伝統に親しむ「生活文化の催し」などの自主事業をおこなうほか、伝統ある空間を一般にも開放(貸出し)しています。
自主事業は新潟市内にある画廊「NPO法人新潟絵屋」が企画運営しています。
開館時間
見学:9:00~21:00(1月・2月は19:00まで)
※ただし、利用されている部屋は入室できません。
貸出:9:00~21:00
休館日
月曜日(祝・休日の場合はその翌日)
祝・休日の翌日(その日が土・日曜の場合は直近の火曜日)
年末年始 12/28~1/3
入館無料
管理用スペースを除き、御自由に御覧いただけます。
Tel/Fax 025-222-2676
E-mail sakyukan@bz03.plala.or.jp
交通のご案内
路線バス:浜浦町線C2系統または 観光循環バス乗車、バス停「西大畑坂上」下車徒歩1分
詳しくはアクセスへ
「砂丘館」は、新潟市が所有する旧日本銀行新潟支店長役宅の愛称です。
あまり上り降りする(町に遊びに行く)と落第すると旧制新潟高校生の間で言われたどっぺり坂(ドイツ語のverdoppeln(フェルドッペルン)=ダブる → 落第する、からつけられたらしい)を上りきった正面、右手に位置するお屋敷です。ここは新潟砂丘の上。同じ並びには、かつて新潟高校とその寄宿舎「六華寮(六花寮)」があり、いずれも木造の洋風建築でした。明治以後お屋敷町として開発されたこの界隈には、今も洋館の付いた住宅などが残りハイカラな雰囲気が漂っています。
旧支店長役宅は昭和8年(1933)年の建設。設計は日本銀行の技師平松浅一(あさいち)、施工は新潟の武田組が行いました。庭は新潟の長生園によるもの。戦前の日本銀行の役宅として現存するのは新潟と福島(昭和2年)の2つだけです。
建物は東南から北西方向にのびる敷地に、奥深い作りで、中央を貫通する廊下(中廊下)によって接客・生活空間とサービスヤード(台所、女中室、書生室、浴室など)が明確に区分されています。この中廊下は、プライバシーの重要性を説いた大正期の住宅改良運動の影響により登場したもので、近代の和風建築に特徴的なものです。
玄関の脇には外観こそ和風ですが、ゆったりとした洋間の応接室と書斎が広がり、奥に和室部分が続きます。四畳半の小間が1、2階に3室設けられ、特に1階の2室は茶室風の瀟洒(しょうしゃ)なつくりになっています。主室部分に奥座敷が雁行して配置され、多様な視点から庭を眺められるよう工夫されています。
敷地奥には町中から移築された蔵があります。役宅に蔵は意外に思われるかもしれませんが、新潟の町が災害に襲われた場合は役宅で支店が代行できるよう配慮されたと言われ、その非常時には金庫として使用するために作られたものです。外壁は火災により強いよう、コンクリートになっています。砂丘館ではこの蔵をギャラリーに改装し、自主企画展やコンサートなど、さまざまな催しに活用しています。
2階の座敷は本格的な書院造りの様式。木材は総て檜(台湾檜)で、広縁のガラス戸からはかつて眼下に新潟の町が一望できましたが、今は残念ながら高い建物に遮られて見えません。
役宅という性格を考慮してか、新潟の商家の座敷に見るような凝った細部の意匠は見られませんが、欄間などに精緻なデザインが見られ、特に正面玄関の軒下には寺院建築に特有の斗栱(ときょう)が引用されているのは、珍しいものです。
庭は平坦で細長い敷地に作られる路地風平庭。洋館の車寄せを思わせる前庭、純日本風の主庭、ガーデンパーティのできる平らな奥庭、趣ある松の植えられた中庭、そして静かな森の小道を思わせる勝手庭と表情の変化に富んだ空間構成になっています。
砂丘館の平面図はこちら
砂丘館の庭は前庭・主庭・裏庭・中庭・勝手庭の5つの部分からなります。
端正な入母屋屋根の玄関前は洗い出しのアプローチ。落葉樹のさるすべりと紅葉が四季を演出。
主景木のクロマツを一定方向に反りを合わせ、風の強い土地柄を表現。春から初夏の梅⇒ツツジ⇒サツキの花のリレーが美しい。
現在は管理用駐車場。支店長役宅時代は芝生庭でガーデンパーティも開かれた。小さい藤棚が往時を偲ばせる。
枝ぶりの面白い3本のクロマツが植えられた風趣ある小庭。
家人、使用人が出入りした内玄関、勝手口に通じ、敷地際に植えられたシイ、クスが大きく育ち、森の小道を思わせる。
photo by Hangakobo
喫茶
レトロな雰囲気の応接間やお庭の見える和室でコーヒーを
・営業時間 10時~
・メニュー コーヒー600円/紅茶・ジュース400円
売店
関連作家の作品集やアートグッズを販売しています
砂丘館で取り扱い中の商品/書籍
・「ある池のものがたり」
・「相田諒二ポストカード」
・「東京ノイズ」大倉宏
・砂丘館責任編集!「児玉晃の自画像 50人のわたし」
・「蓮池もも グッズ」
砂丘館友の会の会員は、歴史ある建物を生かし、さまざまな芸術文化・生活文化関連の自主事業を自己財源で行う砂丘館の活動を支援するサポーターです。自主事業の有料の催しの割引などの特典があります。
会員特典
・砂丘館の企画展、催しの案内をお送りします。
・砂丘館通信(不定期発行)を入会月より1年間お送りします。
・砂丘館の喫茶「茶寮六華」のドリンクサービスチケットを差し上げます。(一般会員2枚)
・会員証提示で「茶寮六華」のドリンクを割引します。(コーヒー500円→300円 他ドリンク100円引)
・自主事業の有料の催し*が2割引きでご参加いただけます。 *「季節のしつらい教室」を除きます。
年会費 3,000円
お申込み方法:砂丘館の受付でお申込みください。
※年会費の払戻しはいたしません。
※ご提供いただいた個人情報は、会員名簿登録・会報送付のみに利用させていただきます。
お問合せ
Tel 025-222-2676
Email sakyukan@bz03.plala.or.jp
砂丘館では自主企画の展覧会やさまざまな催し、庭の清掃や館内解説などを、市民ボランティアのご協力を得て行っています。ボランティアとして活動希望の方を随時、募集しています。
ボランティア活動内容
・展覧会会場係 /展示会場で展示物の見守りをします。
・庭園清掃 /日本庭園の落ち葉掃き、草取りなど。3月下旬から12月初旬まで、定期清掃を毎週金曜日の午前に行っています。定期清掃と別に可能な時間帯での清掃や冬季の除雪のお手伝いも歓迎です。
・館内業務補助 /催しの会場準備、片付け、観客対応、喫茶のお手伝い ほか
・館内解説 /来館者や団体見学のお客様へ、建物や庭の解説を行います。
ボランティアをしてみたいと思う方は
ご来館または電話、Eメールにてお問い合わせ下さい。
詳細をご説明の上、ボランティア登録をしていただきます。
未経験者も歓迎です。
お問合せ
Tel 025-222-2676
Email sakyukan@bz03.plala.or.jp
※公共交通等で来られる方には市内バス料金(420円)をお支払いします。
※自動車で来られる方は事前にお知らせ下さい。
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砂丘館 sakyukan
〒951-8104
新潟市中央区西大畑町5218-1
TEL & FAX 025-222-2676
E-mail sakyukan@bz03.plala.or.jp
9:00~21:00
(冬季12〜2月は19:00まで)
休館日:月曜日
その他の休館日
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